目次
はじめに
最近は、国公立大学でも推薦入試やAO入試など、一般入試以外の入試方法が多くなってきており、高校生が大学に志望理由書を書かなければいけないことが増えてきています。
「でもどう書けばいいのかわからない。」
「どんなことを書けばいいの?」
と悩む人が多いです。
そういう人のために、今回絶対に好印象になる大学入試のための志望理由書の書き方を教えていきたいと思います!
こんな僕から教えてもらったところでなんの意味がないと思うのも無理がないかもしれません。
でも僕自身、東京大学工学部の推薦入試を突破した身です。そのほかにも高校生の時に企業や大学の倍率の高いイベントにも参加してきました。そして、書類審査で落ちたことは一度もないんです!
だから少しでもお役に立てたらいいと思いこの記事を書かせてもらいます。
中学生のころまでは家で一日10時間くらいFPSゲームばかりをしていて学校には一週間に1回ぐらいしか行かなかった僕ですら、いろんな書類審査に受かることができたのですから誰でもできますよね?!
そして実は志望理由書はちょっとしたルールを守れば劇的に好印象に変容するんです。それを今回、東京大学推薦入試を例に話していきます。ぜひ最後まで読んでいってください。
志望理由書を書く前に

実際に志望理由書を書き始める前にしなければいけないことがあります。そもそも相手はあなたの記事を一生懸命読んでくれるわけです。中身のない志望理由書を読んだら相手だって時間の無駄だったと感じ、好印象を与えるのはとても難しくなります。
自分の情報を整理する
自分の情報を整理する作業が何より重要です。相手に自分のこれまでにやってきたことや目標を提示してその大学に入る価値があるということを示すのが志望理由書ですから自分の情報を正確に知り尽くすことがなによりも大切です。
志望理由書に使う自分の情報は大きく過去の情報と未来の情報の二つがあります。過去の情報は自分がこれまでに残してきた実績や経験、成績などです。対して未来の情報はこれから目指す将来の自分のことを指します。
過去の情報
まずは、自分がこれまでに参加したイベントやこれまでに残してきた実績をすべて書き出しましょう。
書き出すときに一番力を入れなければならないことは、その経験をした動機とそれから得られたものです。そのイベントは何を得たいがために参加したのか、その実績はなんのためにとったのか、そしてその過程を踏んで最終的に何を得て自分がどう変わったのかをしっかり理解する必要があります。
まずは経験したイベントごとに以下のことを考えてみましょう。(基本情報は省きます)
・そのイベントでなにを得れると思って参加したのか
・イベントの内容
・印象に残ったこと
・参加した後、どのような知識・考えを得たのか
・そこで見つけた新しい課題
とりあえずこのくらいは書いてみましょう。
実際に志望動機にそこで書いた内容を使うかといえばほとんど使わないことになると思います。しかし、この作業は自分の軸をしっかり定めることにおいてすごく重要なものです。時間をかけてやっていきましょう。
未来の情報
続いて未来の情報です。
基本的に志望理由書では、過去の情報と関連付けた未来の情報を書いていきます。
まず最初は大きい自分の夢を考えます。そして、最終的には大学でやる事細かいことまでできるだけ具体化していきます。
大きい夢を決めるときは自分の理想の世界を妄想してみましょう。例えば、「誰でも好きな時に空を飛んで移動できる世界を作りたい」「宇宙のどこへでも行ける宇宙船を作りたい」など様々あると思います。
そしてその次に、「そのためにはどうしたらいいか。」をひたすらに考えていきます。これを繰り返すことで最終的に大学でしたいことにたどり着くことができます。
「誰でも好きな時に空を飛んで移動できる世界を作る」(大きな目標)
↓
「すべてAIで制御された航空機を作る」(中くらいの目標)
↓
「人工知能を使って航空機の外の状況を完璧に把握できるようにする」
↓
「人工知能で、鳥の動きを予測してその情報を操縦に反映するシステムを作る」(小さな目標=大学での目標)
このように、一つの大きな夢を細かく細かく分けながら考えていくと最終的に大学でやりたいことにつながります。一人ひとり最終的な着地点は違うと思いますので研究の可能性は無限大です。これをして、大学でやりたいことを見つけましょう。
基本的に、この作業を完遂しやりたいことが見つかってから大学を選びましょう。大学があなたを選ぶのではなく、あなたが大学を選ぶ必要があります。これができていないと、大学に入ってからが大変ですのでこの流れは意識しておきましょう。
相手の情報をしっかりと調べる
まずは、相手の情報をしっかりと調べましょう。大学入試のための志望理由書では以下のことを調べれば大体大丈夫です。(あたりまえに調べることは省略します)
相手の情報を調べる目的として一番は。なぜその大学じゃないといけないのかです。その大学やそこにいる研究者のもとでしかできないことを見つけるのが重要になります。
1.求める学生像・アドミッションポリシー
入試の募集要項に高確率で記載されています。まずはここを読み、その大学が求めているのはどのような学生なのかをしっかり理解しましょう。
基本的に、募集要項は隅々まで読みましょう。結構募集要項を読んでいなくて、見落としていることがありますので…

これは東京大学令和2年度推薦入試の募集要項の一部です。
オレンジ色の下線部は東京大学がどのような人材を育てていきたいかがわかります。これを読んで簡単でもいいので東京大学でどんなことをして将来的にどんな人間になりたいかを考えましょう。そして本当に自分がこの大学に行きたいのかを再確認しましょう。
続いて緑色の下線部は、東京大学が推薦入試で求めている学生がどんな人なのかが書かれています。ここで自分がその学生像とマッチしているか、そしてその証拠として出せる実績や経験があるかを考えます。
基本的に、この段階ではぼんやりとでいいので、自分と相手との関係性を感じましょう。相手が求めている学生像に自分の価値を提供することを常に心がけることが大切です。

たまにこのように学部や学科ごとでの求める学生像があったりします。こういう細かな記述は特に大事なのでしっかりと自分と照らし合わせてみましょう。
学生像は受験する人が少なくなりすぎないように、客観的に書かれていることが多いです。そのため、その内容を自分のいいように解釈することができます。だからあまり難しいように考えすぎないようにしましょう。
研究者・研究内容・論文
前提として、大学は研究機関です。これを忘れている人が数多くいます。スポーツ推薦など特別な理由がある人以外が推薦入試やAO入試で大学に行く理由として、例えば「サークルを頑張りたい」や「いい会社に就職したい」などのような理由は論外です。(一般入試はそれでもいいです笑)
もちろんそれが事実的な理由としてあることは否定しませんが、大学の教授が相手となる入試において好印象を与えることは不可能だと思います。教授は研究者ですから。
そのため、大学の研究情報を調べておくのは必須といっても過言ではありません。
では何を調べればいいのか。
まずは、Googleで【○○大学 研究(研究者)】と調べてみてください。おそらくその大学の研究内容や研究者情報がヒットするはずです。
そして自分の興味のある研究者や研究内容を探します。その時にしっかり隅々まで情報を探しましょう。自分の研究室のホームページを持っている教授がいる場合、どんなことをやっているのか確実に抑えていきましょう。
ある程度、自分が推したい教授を見つけたら、次は論文検索です。この作業は非常に重要で、研究者が一番自分の研究内容を発信しているメディアは論文なのです。論文読まずしてその研究者を理解することは不可能でしょう。
論文を探すときに必ず使うのが、「CiNii」です。これは日本の論文検索サイトでかなりの量の論文が検索できます。

まず最初にCiNiiのトップページを開いたら、検索する前に画像赤枠の本文ありを押しておきましょう。
CiNiiは多くの論文を検索することができますが、権限がないと見れないものも多くあります。そのため、本文ありを選択してPDFで見れる論文を探します。もしもPDF で見れない論文でどうしても見たいものがある場合は、大学の図書館なんかにあることがあるので、行ってみてもいいかもしれません。
検索するときに、さっき調べた自分の興味のある研究内容や研究者の名前を入力してみましょう。
大方CiNii内で本文を読むことはできず、J-STAGEに誘導されることがほとんどです。
同じように、海外の論文も検索できるサイト「Google Scholar」を活用していましょう。

Google Scholarで検索する場合は、できるかぎり英語で入力しましょう。そのほうがより多くの論文が出てきます。
〈追記〉
余裕があれば、気になる研究室の卒業論文なんかをみても面白いかもしれません。
最先端を調べる
ここまででほとんど、自分のやりたいこと、そしてどのような研究をしたいのかやどの研究者の下で学びたいかなどがはっきりしていると思います。
しかし、自分のやりたい研究がもうどこかで実用化されていたり実用化されるまじかであればわざわざ大学に入ってそれを研究する意味がありません。
そこで自分がやりたい研究内容の最先端を調べましょう。
世界は広いのでどこかですでに完成に近いということは結構あります。研究者の研究の最前線にいるかたがほとんどですので、かなりたくさんのことを知っています。「それ実際にあるじゃん」とか思われるのは嫌だと思いますので、根気強く調べていきましょう。
その時、私は日本語のものは少ないと感じました。だいたい最先端のことは英語で書かれていることが多いので(論文は特に)英語が苦手な人はかなり苦労をするかもしれませんが、自分のためなので頑張って翻訳しましょう(笑)
その研究で解決できる社会問題を探す
根本的なこととして研究は問題解決です。どんなに夢物語のような研究内容であっても必ずといっていいほど問題解決を意識されています。
どんなにおもしろいアイデアだとしてもそれが何も問題を解決できなかったら、わざわざお金がかかる研究を大学でするはずがありません。
どんなに小さな問題でもいいので、自分がやりたい研究内容で解決できる問題を探しましょう。
実際に志望理由書を書いていこう

さて、実際に志望理由書を書いていきましょう。
実は、志望理由書を書くこと自体はそれほど大変ではありません。むしろ上で紹介した書く前にやるべきことを実行することのほうが何倍も大変です。事前にしっかりと情報を整理しておけばどれだけ長い志望理由書であろうがものの1時間程度で終わってしまします。
次の構成通りに書いていけば問題ないです。
1.将来の大きな目標
2.大きな目標のための中くらいの目標
3.社会問題
4.小さい目標=大学での目標
5.まとめ
+
これまで経験したことに関する情報(1.2.3のどこかに)
一つずつ解説していきます。
1.将来の大きな目標
まず出だしは、自分が実現させたい大きな目標を書きましょう。ただ単に、上の「志望理由書を書く前にすること」で考えた未来の情報のなかの大きな目標を型に当てはめて書けばいいだけです。
「私は将来的に~~~したい。」
のような感じで書きましょう。
2.中くらいの目標
続いて中くらいの目標を書いていきます。
だいたいの基準の目安として10年くらい先までの目標にするといいでしょう。
1の続きに、
「そのために~~~したい」
や、工学部系であれば
「そのために~~~を開発したい」
といった具合に書いていきましょう。
3.社会問題
次は、現状の社会問題を書きます。
できるだけ詳しく、そして誰が読んでもわかるように自分の言葉で書いていきましょう。
「現状、~~~が問題となっている。~によると~」
といったように書いていきましょう。
できれば社会問題を提示する際には公的なデータを用いてください。
「文部科学省によると~」「NASAによると~」とすると説得力が段違いです。
4.小さい目標=大学での目標
社会問題を書いた後にその問題を解決するために大きな目標の到着点である自分が大学で研究したいことを書きます。
「上記した問題を解決するために、私は○○大学○○学部○○学科の○○研究室で○○教授のもと~~~を研究したい。」
という風に書けばいいと思います。
5.まとめ
最後に、
「以上のことから、私は○○大学○○学部○○学科を志望する。」
といった具合に適当に書いておきましょう。
これまで経験したことに関する情報(1.2.3のどこかに)
余裕があれば、どこかに自分が経験してきたことの情報を書くことができれば最高です。
例えば、「私は○○に参加して~~~という問題があることが分かった。」から社会問題につなげることもできるし、大きい目標や中くらいの目標のあとに「それは私がいついつに○○に参加し、~~~ということを感じたからだ」という風に書けば、自分がなぜそれを研究したいかが相手にストレートにわかってなおいいでしょう。
よくある質問

ここには、皆様から寄せられた質問を載せていきます。
コメントとお問い合わせより質問を受け付けていますので、よろしくお願いします。
まとめ
簡単でしたよね?
あとはちょっとばかり深く書いてみたり装飾してみたりして自由に文字数をコントロールすることができます。
今回紹介したことは、僕なりの書き方です。志望理由書には状況に応じて様々な書き方があるので、その中の一つととらえてくれたらうれしいです。
でもこの一連の流れは、大学入試だけでなく様々なイベントの志望理由書にも適用できるはずです。(さすがに就職などには無理だと思いますが・・・)
ぜひ、いいなと思ってもらえましたら、活用してみてください。
それでは!
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